クチナシ

緑一色のただなかに、その純白の花を咲かせ、類のない香りを漂わせているさまは6月の自然のなかにとくに心に残るものです。6枚の純白の花びら、中央の薄い黄色のめしべの色合いがその香りとともに見る者の心に、静かに神の国のメッセージを伝えてくれるのです。この花の果実は熟しても口が開かないので、「口無し」という名前になっています。この果実は冬には黄赤色となり、菓子や漬け物などの食品の着色料にもよく用いられ、さらに薬用植物辞典には薬用としても用いられると記されています。

〝今日のみ言葉〟より引用。(写真・文ともT.YOSHIMURA)