リンドウは、秋の野山の代表的な野草の一つです。これは、山口県の鍾乳洞で有名な秋吉台での撮影で、九州から島根の集会へと移動の途中で、見いだしたものです。リンドウは、私にとって特別な思い出があります。
それは、大学2年の頃に、テントや燃料、雨具、食糧などの十分な装備をして、京都市北部の鞍馬山から歩きはじめ、ときには、地図上でも廃道とされている道なき道を5万分の1地図と磁石を頼りに、山なみを越えて、1週間近くかけて日本海側の小浜へと行ったことがありました。その時、由良川源流地帯で、このリンドウの深い青紫色に出会ったのでした。
長い単独の山行のゆえに緊張と疲れのたまった心身であったゆえに、そして一日歩いても誰一人と会わないような山奥であったので、私の心に生きた映像をそのまま焼き付けてくれるものとなりました。
青い色は、広大な大空や大海原など最も広く目にはいるものの色で、創造主はこの色に接することによって、いつもご自身の深い本性を見つめるようになされたのではないかと思われます。
水野源三の詩にも、次のように記されています。
来る年も来る年も 澄み渡る空には
りんどうの花が咲くように
神様の真実は変わらない
神様の真実は変わらない
天を映す青、それゆえにそのたたずまいとともにリンドウは多くの人の心に残ってきたと言えます。
今日のみ言葉〟より引用。
(写真・文ともT.YOSHIMURA)
