この樹木の花は、日本人に最も古くから、愛し続けられている花の一つだといわれています。これは園芸用として花壇や鉢植えとして広く用いられているのでよく知られています。しかし、野生の花に出会った人はそれほど多くないと思われます。この写真は徳島市から50kmほど南の山中に自生していたものです。海陽町での聖書の学びから帰途、車中からいろいろな木々に混じって咲いているのが見えたのでそこまで登って撮影したものです。
アセビはツツジの仲間ですが、道路によく植えられているヒラドツツジやヤマツツジ、ミツバツツジなどのように大きな花を開くのでなく、釣り鐘状の花を咲かせます。このような花は、ドウダンツツジ、ネジキなども同様です。
この花は、古くから愛好され、万葉集にも10首ほどあります。そのうちの一つをあげておきます。
礒影(いそかげ)の、見ゆる池水、照るまでに、咲ける馬酔木の、散らまく惜しも(第20巻 4513)
( 岩影が映っている池の水が照り輝くほどに咲いている馬酔木が散ってしまうのは惜しいことだ。) *「礒」とは、岩のこと。
アセビの花がなぜ、古来から日本人に愛されたのか、いろいろ理由はあると思われますが、まだ寒い3月ころに咲き始めるために、寒さの中での心を慰める花となったこと、緑や冬枯れのような木々のなかで、命に満ちた美しい花をたくさん咲かせることで、見る者に新たな励ましを与えるところがあったと思われます。
現代の私たちにとっても、このような野生の花を山にて見出すとき心惹かれるものがあります。上の写真で大写しになった一つ一つの花を見るとき、それらの一つ一つの花が心を込めて創造されたのを感じ、このような花を創造された神の御手とそのお心に引き寄せられる思いがします。
〝今日のみ言葉〟より引用。
