ウツボグサ

ちょうど6月の梅雨のころに咲いていて、空模様が曇っていても、山を歩いていて時折この花を見つけると、さわやかな気持ちになったものです。野草のうち、青い花、青紫の花は空の青や海の青と同様に、清さと深さを合わせて感じさせるものがあります。なお、この花が終わった後の花穂には、強力な利尿作用があり、膀胱炎に対して用いられ、薬草として知られています。靫草(うつぼぐさ)は花穂(かすい)の形が弓矢を入れる靫(うつぼ)に似ているから。カコソウ(夏枯草)とも言われるのは、花穂が枯れると黒くなるからです。

〝今日のみ言葉〟より引用。(写真・文ともT.YOSHIMURA)